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2008.05.05 (Mon)

批判する技術

侏儒の言葉・文芸的な、余りに文芸的な (岩波文庫)侏儒の言葉・文芸的な、余りに文芸的な (岩波文庫)
(2003/02)
芥川 竜之介

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読んだの高校生の時なんで記憶が曖昧なのだけど、芥川龍之介の『侏儒の言葉』の中に3つの批判する方法が紹介されてたんだよね。
ちなみに、『侏儒の言葉』はA・ビアスの『悪魔の辞典』と並んで好きな本だったりする。

その3つとは『全面否定法』と『半肯定法』、それから『木に寄って魚を得る法』だったかな?

『全面否定法』っていうのは文字通り、相手を頭ごなしに批判する方法。
例えば「あのときのお前の言い方はない、もっとましな言い方はできないのか!」とかね。
まー、言っているほうは感情に任せて言いたい放題言っているわけですから気分は良い。ただし、コントロールの仕方が難しく、リスクも高い。
よほどうまく言うか、うまくフォローをしないとかなりきつくなってしまいますし、コントロールがきかずに(せずに)暴言レベルに達してしまうのもよくある話です。
そうなると、批判した相手から苦手とか怖い、少なくともあまり関わりたくない人と思われるのは間違いないでしょうし、直接批判した相手以外の周りにいた人や、話を聞いた人からもそう思われることも少なくないでしょう。
場合によっては批判した自分のほうが「痛い奴」認定されることも覚悟しておかなければいけません。

『半肯定法』とは、要するに『持ち上げて落とす』と言う奴です。
はじめに、相手のことを褒めたり、親密さをアピールした後に、批判や苦言を呈します。
例えば、「若いのに堂々とした発言ですばらしかったねえ。でも、社内でうまくやっていきたいのだったらもう少し目上の人間を立てた方がいいよ。」みたいな奴ですね。
国語の授業で一回は言われますよね。「重要なのは逆接の後。筆者の言いたいことは逆接の後に来る。その前の文章はどうでも良い。」って。でも人間の心理って奴は不思議なもので、同じことを言われていても最初に褒められたりすると、それで相手に親密感を持ったり、味方だという認識が働くからその後少しきついことを言われても反発しないのですよね。
そうなると、言いたいことを言いつつ、事を荒立てなくて済むし、大喧嘩になる可能性も少ないので大人の対応法だと言えます。それに、この方法は正面から注意しても全く受け入れようとしない人や、逆ギレするような人にも有効です。こういう敵味方分ける人間の方が効果的かもしれません。

つまりは、ここで重要なのはいかにも相手に親密だと思わせ、あくまで相手のために言ってあげてるんだよ、という空気を作り出すことですね。

ちなみに、これに『褒めているように見えて実は褒めていない』を組み合わせる高等テクニックも存在します。
例えば、「とてもユニークで気味みたいな発言する人は初めて見たよ。でも、実力が伴ってないね。」みたいなのかな?うまく例え作れないけど。
要するに、持ち上げる部分ですら持ち上げず、実は批判しているのにも関わらず持ち上げているように聞こえる、と言う奴ですね。ただし、これは使い方を誤るとものすごい皮肉に聞こえるので要注意です。

で、最後の『木に寄って魚を得る法』ですが、これは漢文なんかに良く出てくる『関係ないような例え話とかを使って相手に言いたいことを伝える』という話法です。例えば『漁夫の利』とか。
王様とか、表立って反対意見を述べられない相手に対してそれとなく自分の言いたいことを伝える方法ですね。ただし、これも使い方を誤ればものすごく嫌味になる上、相手の理解力を推し量って話を作らないと伝わらないので加減が難しいです。

簡単なのは、例えば、万引きをした人に「人のものを盗むって良くないですよね。」とかいう奴ですね。あくまで一般論を言っているのにも拘らず、相手にとっては暗に批判されているように聞こえる。でも、一見正論だから反論はできない。事情を知らない人間は批判していることにすら気づかない。
個人的にはこの方法が一番好きです。


まあ、要するに、他人を批判すると言うのはリスクが高い行為です。喧嘩せず、我慢して敵を不必要に作らないようにすることも社会生活を送る上で重要なことですし、成功するにも必要不可欠です。
歴史上でも、旧時代を壊した人間、例えば織田信長などは、そこら中に敵を作りまくったため、頂点を極めても敵が多すぎて天下が長続きすることはありません。その代わり、徳川家康のように敵を作らずに来た人間が新しい時代を築きます。
よく「旧時代を壊す人間と新時代を築く人間は違う」と言われますが、この辺りも絡んでるんではないかと思います。

ほぼ日刊イトイ新聞で『大人の小論文教室』を連載しているズーニー山田さんの『あなたの話はなぜ「通じない」のか』の中にも「何を言うのか以上に誰が、何というのかの方が重要」みたいなことを言ってましたし。
実際、いくら正論でもそれをいうのがいつも問題を起こしているようなPLでは受け入れてもらえるはずがありません。
つまりは相手を批判するならば時と場合と方法を選びましょうと言う話です。

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